コラム

2017年

2017年

    ‣12 11  8   7   ‣6月   ‣5月  

12月 

 インフルエンザ

  県内でもインフルエンザの流行が少しずつ始まっているようです。発熱すると保護者の皆様は早目に受診しがちですが、すぐに検査しても検出率は低いので、1番良いのは発熱してから6~8時間くらいが受診のタイミングでしょう。あせらず、水分をとりながら様子をみましょう。又、インフルエンザを予防するには、なるべく外出を控え、手洗い・加湿・マスクの着用を心がけましょう。

11月 

 インフルエンザワクチン

  今年はワクチンの製造量が不足しているため、例年のように多くの人に接種しにくい状況です。当院でも予約の枠はなくなりました。でも、0回よりは1回でもしてあげる方がよいと思います。2回接種した場合の効果を例えば10とすれば、1回だけのときの効果は(データはなく、私の印象ですが)2歳まで3~4,3~6歳まで6,6~12歳まで8くらいかと考えています。今からでも接種してもらえる病院があれば探して申し込んでください。

8月 

 今年の手足口病

    今年の手足口病にかかった人の中に、治ってから3~4週間後に、爪の変化が見られる人が多くいます。爪の変化は、爪に横のミゾが入ったり /爪と皮膚の間にスキ間ができたり /爪が剥れたり…などです。爪がペラペラして剥れそうなら、ひっかかって剥れないようにペラペラ部分を切りとりましょう。爪の変化は、新しい爪が出て来て自然に治ります。

 夏にRSウィルス?

    RSウィルスは、例年なら11月頃からインフルエンザが始まる頃まで流行するのですが、今年は8月に入ってから「流行」と言っても良いほど、多く見られています。

赤ちゃん、とくに0才児には急性細気管支炎を起こして、呼吸困難、時には入院を要する場合があります。保育園・幼稚園での流行に注意です。大人には「鼻カゼ」程度の症状しか出ませんので、家庭内のカゼぎみの大人から赤ちゃんに感染することもありますよ。

7月 

☆ 「夏カゼ」流行中です。

 夏にひくカゼが"夏カゼ"と思われていることが多いようですが、夏に活動性が高いコクサッキーウイルスによる「手足口病」「ヘルパンギーナ」 アデノウイルスによる「プール熱」が『夏カゼ3兄弟』です。今年の夏、今の季節は手足口病が大流行、プール熱がその次に流行しています。それぞれの病気をおこすコクサッキーウイルス・アデノウイルスにはたくさんの種類や型があって1年に2~3回かかることがあります。

 手足口病

名前のとおり、手足の発疹(水疱)と口内炎が特徴です。発疹の数は少ない人、たくさん出る人と色々です。でも今年の手足口病は体のいろいろな所に発疹が出ます。かゆがる子もいます。不顕性感染と言って、 ウイルスが入りこんで周囲に伝染させているのに本人には無症状、という人も多くいます。 口内炎の痛みが軽度で食欲があって、発熱がおさまっていれば、登園可です。 口が痛いときのおすすめの食べ物は「つるん」「冷たい」「あまい」です。    

 プール熱

 咽頭結膜熱ともいわれます。目の充血や目やに、のどの発赤・痛み、発熱が主な症状です。アデノウイルス3型によることが多いとされています。高熱が3~5日つづきます。目やにや、のどの粘液のウイルスで感染します。

 そのほかのアデノウイルス感染について

 アデノウイルスは、プール熱以外にも、ウイルスの型の違いによっていろいろな病気をおこします。70種くらいの型があります。主なものは扁桃腺炎(アデノ1型、2型)・肺炎(7型)・胃腸炎(31型、41型)・腸重積・はやり目(8型、19型)出血性膀胱炎(11型)など。同じ「アデノウイルス」でもずいぶん様子が違いますね。     

6月 

便秘 

便が4日出なかったら便秘か、というと必ずしもそうではありません。

むしろ便秘とは、「排便に困難を感じること」と考える方がよいと思います。

3~4日に1回でも、痛くなくスルッと十分な量が出て、食欲が落ちなければ便秘ではありません。

逆に、毎日便が出てもそのたびに痛かったり、出血するようなら便秘と考えてください。

便が硬い→痛い→我慢する→便が硬くなる→さらに痛い→我慢、の繰り返しで悪い方向に進みます。

食事内容や排便の習慣が大切ですが、それでも便が硬くて痛むのなら下剤を適切に長期間続けていくことが必要です。

夜尿

一応「5歳以上、週2回以上のおねしょが3か月以上続いたら夜尿症」とされていますが、あまりとらわれなくてよいでしょう。

6歳以上週3回以上という意見もあります。

5歳児では15~20%の子どもがこれに当てはまってしまいますから。

その後1年ごとに夜尿の子の15%くらいのペースでだんだん治っていきます。

単純計算すると、5歳児では100人中15人、6歳で13人、7歳で11人、8歳では9人…という頻度です。

思っているより多いので少し安心できますね。

「自分だけ」ではありません。

「そのうち治る」子どもが多いのですが、特に本人が困っているようなら受診してください。

今は夜尿症を多尿型と膀胱型に分けて考え、それぞれのタイプにあった治療法を行っています。

夜泣き

生後4か月くらいから始まって、2歳頃にはみられなくなっていきます。

原因はわかりません。

空腹、おむつ、寒い・暑い、日中の運動不足、不安など思い当たるものがあれば解消してあげましょう。

それでもだめなら赤ちゃんに付き合うか、反対に無視するかですが、いくつかの漢方薬の効果も期待できます。

飲み始めたらその日からピタリ、という子も多くみられます。

5月 

胃腸炎 

     

咳による嘔吐は別として、嘔吐や下痢があれば一応「胃腸炎」と言われてしまいます。

ロタやノロ、食中毒の胃腸炎は伝染力が強いので登園・登校はしばらくできません。

でも、嘔吐や下痢は「冷え」・「食べ過ぎ」・「カゼ」でもおこります。

いわゆる「胃腸炎」は病名というより、症状名と考えた方が良いですね。

下痢だけなら食事のスタートは、便の性状と似たもの(水様便なら液状のもの、泥状便ならドロドロ状のもの)で温かいものが良いでしょう。

嘔吐が強いときは、短時間(1~2時間)絶食して、経口補水液(OS-1、OS-1ゼリーなど)を早期に。

乳幼児ならキャップ1杯(ティースプーン1杯)から始めてください。

あせって急激に増量しないように。おしっこがしっかり出ていれば安心です。

溶連菌感染症 

扁桃腺炎の主な病原菌です。今年は5月に多くみられています。

のどが痛いだけでなく、意外に多いのが消化器症状で腹痛、吐き気を伴います。

そのほか発熱や細かい発疹、目の充血、口唇の発赤、舌の発赤(イチゴの様な舌でイチゴ舌と言われます)もよくみられます。

抗生物質による治療が必要です。

めったにありませんが、リウマチ熱や急性腎炎のきっかけになる場合がありますので、十分な抗生剤治療を心がけています。

口の中が痛いときの食事 

夏カゼ(ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱)や溶連菌感染症、ヘルペス口内炎などの口の中やのどが痛いときには食欲がなくなります。

そんなときの食べもののおすすめは、「甘い」「冷たい」「つるん」です。

ゼリー、ヨーグルト、プリン、アイスクリーム(少量)、冷たいおかゆ、薄味のそうめんなどから好みのものを選んであげてください。

ただし、下痢や嘔吐もあるときは、あまり冷たすぎないほうが良いと思います。